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厚福丸・あい風未来北海道石狩市

札幌市の北隣に位置する石狩市は、石狩湾に面した、1年を通じて強い風が吹く土地。海岸に迫る陸地のところどころは波に浸食され、その下に浜が発達し、険しさと美しさを併せ持つ景観が特徴的です。厚田地区(旧・厚田村)は、江戸時代初めから長くニシン漁で栄えた古い歴史をもつ地区。かつてほどではありませんが、今も一年を通じて魚種が豊富で、毎日開かれる漁港朝市は新鮮な魚を求める人々で賑わっています。

石狩湾を臨む丘の上に、石狩市の協力のもと(株)厚田市民風力発電が建てた「あい風未来」と「厚福丸」が並んでいます。同社は当社のほか、生活クラブ生活協同組合(連合会、北海道・東京・神奈川の各単協)、(株)ウェンティ・ジャパンの6社・団体の出資によって設立された特別目的会社です。周囲にはカシワの林で、人工的な建造物は見当たりません。豊かな自然の中にすっと立つ姿は美しい風景を描き、特に夕焼けを受けた姿は、モニュメントのようです。2014年12月に運転を開始して以来、風に恵まれ、設備利用率は33%を実現(2016年度)。計画通り一般家庭約2,800世帯が消費する電力を供給しています。厚田では古くから野山を色づかせ、海を藍色に染める北西の風を「あい風」と呼んでいますが、「あい風未来」も、「厚福丸」も、未来に福をもたらす風車として回り続けます。

17 厚福丸・あい風未来
発電所名:
厚田市民風力発電所
事業主体:
株式会社厚田市民風力発電
運転開始:
2014年12月
出資者数:
118名
設備能力:
2,000kW×2基
風車機器:
ローター直径99.8m ハブ高80m
サムスン重工業製

北海道石狩市厚田区小谷地区