12

のとりん石川県輪島市

日本海にマサカリのように突き出た能登半島北西部、禅の里として知られる輪島市門前町。2007年3月の能登半島沖地震で壊滅的な被害に遭いましたが、官民連携の努力で現在は趣ある佇まいを取り戻しています。標高300~500mの山地が囲み、対馬海流のおかげで気候は総じて穏やか。ただし冬は別物で、北西からの季節風が吹き荒れます。このため海沿いの民家は、間垣を並べて風と雪から家屋を守っています。

町の中心部からも見える標高300mほどの山で市民風車「のとりん」が運転を開始したのは、2010年3月のこと。地元のNPO法人・市民環境プロジェクト(金沢市)の協力のもと、一般社団法人輪島もんぜん市民風車が設立されました。完成まではトラブルの連続でした。能登半島沖地震に始まり、円安による風車費用の高騰、改正建築基準法に伴う建設費の高騰、当初の計画地が渡り鳥の通り道だったため別の場所で再度の用地交渉、希少猛禽類営巣期間の工事中断、リーマンショックによる銀行融資の不調など。しかし、地元からの復興のため事業を続けてほしいという声に押され、実現することができました。運転開始以降は幸い深刻なトラブルは発生しておらず、安定した発電を続けています。

12 のとりん
発電所名:
輪島もんぜん市民風力発電所
事業主体:
一般社団法人輪島もんぜん市民風車
運転開始:
2010年3月
出資者数:
405名
設備能力:
1,980kW×1基
風車機器:
ローター直径82m ハブ高68.7m
REpower(現Senvion)社製

石川県輪島市門前町勝田