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千颯(ちはや)秋田県にかほ市

秋田県南西部に位置し、鳥海山と日本海を擁するにかほ市。山麓では伏流など水が湧き出し、豊かな自然と農業、製造業を中心とするハイテク産業が融和するまちです。海寄りの芹田地区では2012年4月より生活クラブ東京、神奈川、埼玉、千葉ならびに当社で  構成する一般社団法人グリーンファンド秋田が運営する生活クラブ風車「夢風」(正式名称:にかほ北風力発電所)が運転しており、2016年より生活クラブ組合員の家庭に電力を供給しています。「千颯(ちはや)」は同市では2基目の生活クラブ風車です。

グリーンファンド秋田は「夢風」の運転開始に続いて同市院内地域に2号基の建設を計画していましたが、東北電力が2016年送電線増強工事の費用負担額を決める「東北北部エリアにおける電源接続案件募集プロセス※」という特別な手続きに入ったことから、3年以上に渡って計画の中断を余儀なくされていました。一方で建設予定地の住民との協議や風況調査、環境影響評価を進めながら事態を見守っていましたが、ようやく2020年1月に生活クラブ側が負担する工事費用の金額が確定。費用を負担しても事業が成り立つ見通しが立ったことから、建設に踏み切りました。

生活クラブは、地球温暖化や原発リスクへの対応としてにかほ市の風力発電など、再生可能エネルギーの発電所から調達した電気などの自然エネルギーを、首都圏の事業所や家庭へ供給しています。また、生活クラブ組合員と地元との交流は続けられており、同市の生産品を使った食材の共同開発や、数年前からは製品原料として使われるようになりました。単なる電気の生産地と消費地という関係にとどまらず、再生可能エネルギーを介して人とまちのつながりが生まれています。

※送電線の容量が限られているエリアで、複数の発電事業者が共同で送電設備の増強費用を負担することで接続を可能にする仕組み。(当時の入札件数は179件)

30 千颯(ちはや)
発電所名:
生活クラブにかほ院内風車
事業主体:
株式会社生活クラブ
にかほ院内風力発電
運転開始:
2025年4月
設備能力:
1,990kW×1基
風車機器:
ローター直径92m ハブ高 85m
ENERCON社製

秋田県にかほ市院内字滝尻2-29